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2010年7月9日金曜日

2005 - 2008 サブプライムとBRICs

ITバブルのしぼんだ後の米国、誰も予想しなかったあの、911後の世界。微妙にずれてくる大国と小国、先進国と途上国の関係。
世界は今までになくお互いに密接に繋がっていて、どの国も、一国だけでは、いや、他の国無くしては存在しえない。相互依存の関係は明白なのに、政治家や官僚たちの存在意義を守るために存在する国境。EUを突いては振り回す統合と相互依存の危うい関係。どちらが先でどちらがあとなのか。20世紀までは、国と国とは点と線でお互いに繋がっていたが、今や面で繋がり、一部ではお互いの中に侵入してその部分を共有していたりする。

新興国?BRICs?インターネットや交通通信網で繋がった世界は、同じ速さで携帯やパソコンが世界中に浸透し、情報の伝達や各種形を変えたソフトの普及は、今や先進国も後進国もなくなっている。アメリカで不動産バブルが起きれば、これはリアルタイムで他の国の市場に直接影響を与え、またその反作用も受ける。アメリカに限らない。

2010年7月7日水曜日

2002 - 2005 米国多発テロ以降の世界

2001年の911以降、世界は変った。ITバブルは終わり、企業経営の倫理が問われ、エンロンやワールドコム、シティブループなどの経営者の倫理が問われた。米国ではSOX法が施行され、企業の内部管理体制、適宜、適切な経営内容の開示が求められるようになった。既に崩れかけていた何かが、音を立てて崩れ去り、そのあとに砂上の楼閣を築こうとするような作業に思えた。

日本の金融業界はやはり崩壊の危機にあった。外資系はなおさら厳しい競争を強いられていた。911以降の膠着する世界貿易と世界経済。回復しない世界景気に積み上がる不良債権に日本の銀行は押し潰されんばかりだった。弱者救済や相互補完という名目で数ある都市銀行が国による資本の注入、金融庁の指導に背中を押され、メガバンクをめざし一年以上の時間を掛けかけて合併の準備して、合併後さらに数年をかけて営業店や業務の統合を果たし、さらに何年もかけて経営統合を進めようとしていた。国家挙げての日本のダメダメ銀行救済プロジェクト。そしてダメダメ銀行の融資先だったダメダメ会社の多くはゾンビ企業として税金を食いつぶし、これまた国家プロジェクトの再生機構に放り込まれて、分別されて、運が良ければリサイクルされた。

この間、低迷する先進各国経済をよそに、その活力を奪うかのように、またその機能不全を補うかのようにインド、中国、ロシア、ブラジル、さらに東欧や東南アジア、南アフリカなどにお金と人と仕事がながれ、見た目経済は目覚ましい伸びを見せた。ITバブルで張り巡らされたインターネットのデータ通信網と国際物流網が先進国とその他の地域を結び、様々なものを結びつけた。それまでは考えられない、あり得ない組み合わせのコラボレーションや情報の流れ、プロセスの革命がこれらの間で起こった。お金と情報とが世界中で最も有利だとされるところに瞬く間に集まり、最後についていくのは人間だったかもしれない。

そんな中で日本は、少しずつ、見えない程度に、感じない程度に、しかし結果的には驚くべきスピードで世界から取り残されていった。