1970年代初頭には電子計算機は、卓上から液晶表示のポケットサイズへ劇的な進化を遂げた時期だった。僕が小学校から中学、高校へ通うころにはカード型が当たり前になっていた。そろばん塾に通って算数大好き少年だった僕は電卓の進化に興味津々だった。そしてまだ見ぬ、いわゆるコンピューターと言うものにも夢を膨らませていた。
1978年(昭和53年)に大学の授業で初めてコンピュータに出会った。大学の計算機室と呼ばれる空調の効いた部屋で、そいつは時々、かちゃかちゃ、じっじっ、だっだっだっだっ、と動いていた。その頃のテレビドラマやニュースで「コンピューター」に関する映像として典型的な大きなリールの記憶テープ、プログラムやデータを読み込むカードリーダと大きなドラム式のプリンターがストックフォームと呼ばれる専用紙に打ち出されるアウトプットが全て。
1982年、米系銀行に就職して初めて購入したPCはソードコンピューターのホビー用PCのM5。その銀行がソードコンピューターの表計算ソフトPIPSをメインに採用していた為に新入行員研修で受けたPIPS研修時に購入。テレビアンテナに繋いでテレビ画面をモニターに。
新入社員研修が終わって財務部に配属され、そこでアップルIIeに出会った。他部署は全てソードコンピューターを使っていたにも拘らず、そこではアップルの表計算ソフトVisiCalcを使っていたのだ。そいつは小さな箱のくせにペラペラのディスクにデータやプログラムをため込むことが出来たし、小さなプリンターに繋げば文字やグラフィックをアウトプットすることもできた。
その頃から1985年までアップルIIeのBasicを駆使して会社の顧客やセグメント別の予算管理システムの設計、コーディング、導入、運営を自分で勝手に進めた。単に電卓で集計、紙で報告書にまとめるのが面倒なだけだったので、使える道具で自動化させたかっただけだったけれど、会社は評価して表彰もされたりした。
1983年にNECから発売されたハンドヘルドコンピュータのPC8201を買った。たった4行の液晶表示のついた持ち運び可能なコンピューターだった。中古のテレフォンカプラーを購入して銀行の電子メールを自宅で読み書きすることも可能だった。
1985年に始まったアスキーネットの実験運転のモニターに応募してIDを貰い、初めてのチャットを経験。その実験が終了した87年に、ようやくその頃営業を開始したニフティサーブに参加した。
その年の秋から会社では信託銀行を立ち上げて資産運用ビジネスを始めようとしていた。経理業務と資金証券・為替業務の両方の経験を持つ僕が業務の立ち上げを担当することになった。会社は提携先の邦銀信託への2か月の研修をアレンジしてくれたが、システム開発や業務手続きの構築などの準備は全て僕に任された。信託銀行の帳簿システム、信託財産の記帳と証券取引の管理システムを一からIBMPCのDOSBASICで半年かけて作り上げた。またもやシステムの設計とコーディング、テストと導入、運営管理のすべてを一人でやっていた。
さすがに2年後には手製のシステムの破たんするのが目に見えてきたので会社が採用したプログラマーが当時の最先端のデータベースだったDbaseIIを使って僕のシステムのすべてを書き直し、運用管理を移すことになる。また同時にやはり発表されたばかりのオラクルを採用したホストコンピュータベースのシステムの開発を行うことになった。その為1990年から2年半、香港のシステム開発センターに駐在することとなった。
1993年に東京に戻って、前年に発売されたマッキントッシュLCIIとモデムを購入。アップル初のカラーディスプレイ標準装備の格安カラーマッキントッシュの二代目として、価格的に手の届くギリギリのものだった。子供が生まれる前にいろんなものを整理しておこうとして思い切って買ったのだった。
インターネットの存在を知ったのはそのもう少し前、ニフティのメールをインターネットメールに接続して、他のパソコン通信のメールを使っている友人や、インターネットメールの利用者とメールのやり取りを始めた頃だった。このころからニフティサーブ経由でCompuServeのIDを取得してインターネットへ接続。まだまだウェブサービスの始まる前のテキストベースでの接続。GOPHERやTELNET、FTP、MAILなどのコマンドを駆使しての利用だった。
1994年(平成7年)に日本初のISP(インターネットサービスプロバイダー)のIIJ(インターネット・イニシアティブ・ジャパン)を利用して自分のPCをダイヤルアップでインターネットに接続した。1分間50円と言う接続料金の高さに耐えられず、翌年から始まった格安ISPのベッコウアメインターネットに変更。そう言えばインターネットマガジンも創刊号からの愛読者だった。
<続く>

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